オフショア開発や受託開発はなじみのある言葉ですが、近頃はラボ型開発を行う企業が増加しています。海外にラボ拠点を持ち自身の企業にナレッジが貯まる開発拠点を持ちたい企業向けにラボ型開発を説明します。
ラボ型開発とは
ラボ型開発とは、開発者が密集して作業を行う開発手法のことです。これは、スクラムやXPなどのアジャイル開発手法に基づいています。いわゆるODCと呼ばれることもあります**。**Offshore Development Center(オフショア開発センター)の略で、海外拠点に自社の開発チームを組んでプロジェクトを進める開発手法のことを指すラボ型開発のことと同義のように用いられます。ラボ型開発では、開発者は一つの作業スペース(ラボ)に集約され、作業を行うために必要なリソースを共有します。これにより、コミュニケーションや協力が促進され、開発スピードが上がります。
Linkers laboのイメージ
Linkersを介してクライエント専属の結成チームを構成します(現在はベトナムが主になります)。このチームにはプロジェクトマネージャー(ブリッジSE)の役割を担う専門職が存在し、クライエントの企業様とチームを繋ぎ、双方向のコミュニケーションをサポートします。このことにより、プロジェクトの進行をスムーズにします。Linkers laboではクライエントとlaboチームが1つのチームとなってプロジェクトを進行、開発を進めていきます。
オフショア開発との違い
オフショア開発は、開発を行う企業と開発を行う企業が異なる国に所在する開発方法です。これにより、開発費用の削減やスキルの充実などの利点がありますが、コミュニケーションや調整のハードルが高く、管理が難しいことが特徴です。一方、ラボ型開発は、開発を行う開発者が同じ場所に集約し、作業を行う開発方法です。これにより、コミュニケーションや協力が促進され、スピードアップや顧客ニーズへの対応が容易になります。どちらの開発方法を選択するかは、開発目的や予算などによって異なりますが、オフショア開発は、コスト削減を目的とし、ラボ型開発は、スピードアップや顧客ニーズへの対応を目的とした開発に適していると考えられます。
ラボ型開発のメリット・デメリット
ラボ型開発には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット:
- 開発者が密集して作業を行うため、コミュニケーションや協力が促進され、開発スピードが上がります。
- スプリントと呼ばれる短期の作業単位でタスクを達成し、定期的に作業成果をレビューするため、開発のフレックス性が高く、顧客ニーズに対応しやすくなります。
- 作業を行うために必要なリソースを共有するため、作業効率が向上します。
デメリット:
- 作業を行う開発者が同じ場所に集約しているため、作業環境に対する要求が高くなります。
- 作業を行う開発者が密集しているため、個人のプライバシーやストレスが問題になることがあります。
- 作業を行う開発者が同じ場所に集約しているため、災害や自然災害などのリスクも高くなります。
ラボ型開発の始め方
ラボ型開発において、最初に行うこととしては、以下のようなことが挙げられます。
- 開発チームを組成する。
- 開発目標を明確にする。
- 開発のアプローチを決定する。
- 開発環境を整備する。
- 開発スケジュールを立てる。
また、開発が進むにつれて、以下のようなことも重要になります。
- 進捗状況を管理する。
- 開発の中で発生した問題を解決する。
- 開発した成果物をテストする。
- 開発した成果物をリリースする。
ラボ型開発には、多くのメンバーが参加するため、コミュニケーションの大切さや、タスクの管理などが重要になります。
ラボ型開発を導入している企業
ラボ型開発を導入している企業には、様々な企業があります。
- Googleは、Google Xのラボ型開発で、自動運転カーやGoogle Glassなどのイノベーションを生み出しています。
- IBMは、IBM Researchのラボ型開発で、人工知能やブロックチェーン技術などの開発を行っています。
- Microsoftは、Microsoft Researchのラボ型開発で、人工知能や自然言語処理技術などの開発を行っています。
- Facebookは、Facebookのラボ型開発で、AR/VR技術や人工知能などの開発を行っています。
- Amazonは、AWSのラボ型開発で、クラウドサービスやIoTなどの開発を行っています。
日本企業では以下のような企業が取り組んでいます。
- ソニーは、ソニーグループのラボ型開発で、次世代の映像や音楽技術の開発を行っています。
- 日立は、日立グループのラボ型開発で、IoTや人工知能などのテクノロジーの開発を行っています。
- 三菱電機は、三菱電機グループのラボ型開発で、自動運転車や環境エネルギーなどの開発を行っています。
- 東芝は、東芝グループのラボ型開発で、人工知能やIoTなどの開発を行っています。
- リコーは、リコーグループのラボ型開発で、画像や印刷技術などの開発を行っています。
これらは一部ですが、日本の企業もラボ型開発を導入し、技術革新を行っています。